企業の管理能力 5
やりくりをやるのは、普通末端の人で、工程管理の中央部の人がじかにやることはあまりありませんない。
これが悪いので、こうやると、局部的に無理をするばかりでなく、ちぐはぐのことをやることになり、全体としてまたやりくりをしなければならなくなるのです。
全体の状況を知らない人が、その手もとだけで、行き当たりばったりのやりくりをすると、全体としては急ぐものを遅らせることもあり、あちこちでやると、どの製品も何か足りないというようなちぐはぐになるのは当たり前でしょう。
そこで、やりくりをやるのなら、なるべく上層のほうで、なるぺく早く決心して、やりくりの犠牲になる製品を決め、それの関係の各部品の作業を全部遅らせ、あれもこれも足りないという状態にならないようにしなくてはいけません。
しかも、その工事を思い切って、はっきりと棚上げにしてしまえば、やりくりの連鎖反応が防げて、全体的に落ち着くのです。
・手持ちを出さないように
工程管理の狙いは、手待ちなしに、日程計画どおりに、生産を進めるということです。
この考え方がいつの間にか転化して、手待ちを出さなければ、生産は可能の最大限に達するのですから、手待ちをなくしさえすれば、工程管理は充分な結果をもたらすはずであり、進度は自然に満たされるという考え方になってしまうのが普通です。
これは仕掛り過大になり、生産が混乱し、停滞する原因になってくるので、好ましい考え方ではない。しかしこんな混線的錯覚は、実際上は多いので、無視するわけにはいきません。
この考え方による工事差立て、ひいては進度管理は、各人の手があかないように、多くの口数の工事をもって、少しでも隙間のないように仕事申付けをしていくことが主流になります。